プロローグ

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三ヶ月前から、僕は大好きな彼女と一緒に暮らし始めた。 でも、楽しかったのは最初の二週間くらいで、それから後は苦痛の方が多くなった。 「ほらぁ、何でいっつも洗濯物取り込んでくれないの?私が洗ってるんだからあなたが先に帰ってきた時くらいはやってくれてもいいじゃない」 「・・・うん、ごめん」 「あと、食器は使ったら水に浸けといてっていっつも言ってるよね」 「後でやろうと思ってたから・・・」 「シンクまで持って行けばいいだけでしょ?すぐにやろうよ」 「・・・ごめん」 もともと彼女は色んなことをハッキリ言う性格で、僕はそう言う彼女を好きになった。 別々に暮らしている頃は良かった。 生活にダラシない僕には彼女の一言一言がいつも新しい発見で、どんなにキツい言い方をされても、それはそれで愛されていると感じることができた。 ただ、一緒に暮らすってことが、毎日自分のダメ部分を繰り返し注意され続けるってことになるとは思っていなかったのだ。
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