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「あれ、髪型と服装変わりました?それにこんなとこに飲みかけのコーラなんかありましたっけ?」
作者が置き忘れたようだ。
「気のせいですよ。私元々こんなんでしたよ。それに私飲みかけのコーラを変なとこに置く趣味があるんですよ。」
晃希は見た目によらずこの人は危ない人だと判断したのでコーラには触れずに言い返した。
「さっきまであなたの黒髪ショートでしたよね?なんで茶髪になって髪型が伸びてるんです?」
「だから気のせいですって本題に入りますよ。これ以上は文字数の無駄です。」
「文字数ってなんのことですか?」
優衣はそれを無視して続けた。
「あなたは現在未来に絶望してますよね?」
事務的な感情の読み取れない声で彼女は話し出した。
「なんでわかるんですか?」
「ある依頼主から頼まれたんです。当社のシステムは人生で迷子になっている方をサポートすることになっております。」
依頼主って誰だ?それに何者だこの人?
「まず迷子から抜け出すには目標や夢を持つことから始めたらいいでしょう」
またその話し方だ。
その言葉に晃希は突発的に怒りが増してきた。
「なにそんな無責任なこと言ってるんだよ。夢とか叶うわけがないだろ。俺みたいな何やっても駄目なゴミ人間は一生馬鹿にされていくらでも代わりがきくようなことしかできないんだよ。だから死にたくてたまらないんだ!」
「私も夢って言葉大嫌いですよ。現代社会が夢や目標とか無責任な物を押し付けようとする文化がありますよね。メディアも捏造して綺麗事しか報道しませんからね。すいません。前任者が作ったマニュアルを言っただけなので私としては本当にやりたいことを自分の為にやってみてはどうですかと思ってるんですけどあなたに本当にやりたいことはありますか?趣味でもなんでもいいです。」
さっきの言葉が事務的だったのはそのせいか彼女の本音が聞けてよかった。
「音楽が好きでギター弾いて歌ったりしてるんだけど下手だし才能ないから.....。」
「そんな上手いとか下手とか関係ないです。ライブとかやってるんですか?もしやってなければやってみたらどうですか?それが少なからず生きる気力になるかもしれません。」
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