僕が音楽をつづける理由

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調べてみると対バン形式で弾き語りで俺含め5組が出るらしい。実質物理的には誰も聞かないと言うわけではないようだ。しかし興味ない人間にとっては音楽は騒音以下だろう。 話は進んでライブが終わった後になる。結果言うまでもなく散々だった。対バン相手は自分と比べ物にならないほど上手いし晃希目当ての人間は一人もおらず聞きに来た客は目もくれなかった。酷い人間は金返せと罵倒するものもいた。 ライブハウスからでてくると優衣がいた。 「お疲れ様です。どうでしたか?」 「全然ダメだよ。なんでこうなることがわかってたのにこんなことやらせたんだ。人生アドバイザーとか言って騙して恥をかかせてお前はなんなんだよ。」 「最後にそれを選択したのはあなたです。あなたは今までうまくいかなかったのをいつも他人のせいにしてたんじゃないですか?それに下手な人間才能のない人間がライブをやるなって決まりはないです。音楽やめたいならやめたらどうですか?あなたの曲は他人ちょっと批判されたぐらいで屈するていどの物なんですか?他人と比べて劣っていることを言い訳にしたら逃げてもだれも追いかけないと思ったんですか?」 彼女に核心をつかれてしまった自分は虚無感を持ち続けていれば今置かれた現状から目を逸らしても許されると思った。しかしどれだけ逃げても他人から逃げれても自分からは永久に逃れられないのだ。 見放されたのか彼女はいなくなっていた。 この世界は残酷だ上手く生きれない人間はのけ者にされ一生侮辱されていくしかないのだ。俺みたいな人間は一生死ぬまで劣等感を持ちながら生きていかなければならない。最初から決まってたかのように空虚の檻からは死ぬまで出ることはできないのだ。 ~完~
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