僕が音楽をつづける理由

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「よしできた。」 作者はそういうとあくびをしてそろそろ寝ようと思った。するとそこに優衣がいたのだ。 「この終わり方酷すぎでしょ?」 「あぁ、そのことか。これが現実なんだよ。今までなにをやっても駄目だった人間が簡単に変われると思うか?それ以前に他人を信じれば救われるなんて最近の安っぽいドラマかよ。人間、他人ことなんかどうでもいいし弱いものを叩き潰すのが大好きなんだよ。こんな腐りきった現代社会だからこそ若者が未来に期待できなくなり強い物に同調することが上手く生きる術だと悟り自分をなくして自分が今どうしたいのかがついには分からなくなった。自分の意志を持たなければ他人のせいにできるってことを学んだろうなあ。」 「うん。それはたしかにあってると思うよ。だけど一つだけ良い? 本当は書くのに飽きたんでしょ?」 さっきまで流暢に喋っていた作者が急に冷や汗をかきだした。 「え....。いやバッドエンドもあってもいいんじゃないのかな....。うん。」 「飽きてないのなら続き書いてもいいじゃん。このままじゃ私すごい性格が悪い人だよね。それにあと依頼主分からないままだよね。登場人物少なすぎるからなげだしたんでしょ?」 「............いや。.,.うん。」 「私も性格悪いままじゃ嫌だから。これあげるから続き書いて」 優衣は財布から千円札を渡した。 「嫌だ!」 「じゃあこれでどう。」 優衣はさっきの千円札に百円玉を足した額を作者に渡した。作者は黙って頷き千百円を自分の財布にしまった。
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