捨てる少女 拾った少年

2/3
前へ
/3ページ
次へ
「どうした、こんな時間に」 「えっ」  ひとりぼっちで座っていた少女は、幼なじみの少年に声をかけられて、慌てて袖で涙をぬぐった。 「そっちこそ」 「姉貴に付き合わされて、チョコ買っていたんだよ。今日バレンタインだろ」  バレンタイン。少女は顔を曇らせた。 「持っているそれ、チョコ、誰かにやるの」 「ちがう。捨てるの」  唇をかみしめ、首を振る。 「捨てる? もったいねー。じゃあ俺にくれよ」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加