捨てる少女 拾った少年
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「どうした、こんな時間に」 「えっ」 ひとりぼっちで座っていた少女は、幼なじみの少年に声をかけられて、慌てて袖で涙をぬぐった。 「そっちこそ」 「姉貴に付き合わされて、チョコ買っていたんだよ。今日バレンタインだろ」 バレンタイン。少女は顔を曇らせた。 「持っているそれ、チョコ、誰かにやるの」 「ちがう。捨てるの」 唇をかみしめ、首を振る。 「捨てる? もったいねー。じゃあ俺にくれよ」
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