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「お前っ、大概にしとけよっ」
「とっ……!?」
聖護の手を振り払って荒波を立てながら立ち上がった俺は勢いそのままに聖護の足に跨がり、きょとんと呆気にとられている顔を両手でばちんっと挟み込んだ。
「友達に戻るとか何なんっ!?
今さらそれ言うんか、お前がっ」
「いや、例えばの話し……っ」
「例えばもクソもあるかっ」
さらに力を込めた手に聖護の顔は面白おかしく潰れるけれど、そこで笑えるほど余裕は無い。
「俺をここまで引っ張り込んだんはお前やろっ」
男同士であんなことやこんなことして。
普段だったら絶対に言わない卑猥でリアルな単語を列挙し、聖護を追い立てていく。
けれど、聖護はまた眉を下げて笑うから荒ぐ息に急ブレーキがかかった。
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