おやすみ、世界

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「お、俺かってなぁ、不安もあるわっ。 親にも友達にも“付き合ってるやつがおる”とか簡単に言えへんしっ。 お前みたいに思ってることもちゃんと言えへんしっ。 そやけどなっ……」 「そやけど……」と勢いを萎ませた俺の口から出たのは本当にたった一言だけだった。 「お前のこと好きやから……」 途端に堪えていたものが溢れて、慌てて下を向いた。 聖護が「終わること」を考えていたことが案外堪えていたらしい。 それが自分の不甲斐なさと相成って、こんな醜態を晒すことになってしまった。 ここまで晒したのなら、もういいか。 そんな風に開き直るくらいには心は弱っていたみたいで…… 聖護の首に腕を回してぎゅっと抱きついた。
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