おやすみ、世界

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肌の上を滑っていく手が辿り着いたのはすでに張りつめていた胸の尖り。 「菫梨くんが一番好きなんはここ」 そう耳元で吐息混じりに囁いた聖護は二本の指で固くなった先端を挟み、上下に動かす。 「……あ、うっ」 聖護の声と指が生み出す卑猥な感覚に全身が震えた。 「やっぱ当り」 そう言って聖護は嬉しそうな声を出す。 聖護ごときにすっかりいいようにされて悔しくなった俺は、その身体にしがみつくと同時に首筋にかじりついた。 「菫梨くんっ、痛いって……うあっ」 俺が本気で噛んでいないことをいいことに声を笑わせる聖護に一矢報いようと、噛みついたのと同じ場所に舌を這わせると、瞬間に聖護の身体は強ばって、思わずと言った風に俺の身体を強く抱きしめた。
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