503人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
こうして抱き合って身体を繋げて幸せだと思えるのは、俺がケントを大好きでケントも俺を想ってくれているのが解るから。
こんなにも幸せでいいんだろうか。
身体を清めてからケントと同じ布団に入り、俺は甘えるようにケントに擦り寄って幸せを噛み締めていた。
「ケント、来月のホワイトデー、ちゃんとお返しするから」
「お返しはさっき貰った」
「それでもお返しする!」
多少意地になって答える俺の頭を、ケントが優しく撫でる。
「だってさ、こんなもんじゃ俺がケントを好きだって気持ちは伝えきれないし。それに、せっかく好きだって伝えるイベントがあるんだもん。いっぱい、いっぱい好きだって言いたい」
普段から言ってる気はするけど、それでも好きだって言葉は何回言ってもいいよな?
言葉だけじゃなくて、違う方法でも伝える。
それがバレンタインなんだし。
「で、来年は絶対バレンタイン忘れないから!」
俺の決意にケントは「くくっ」と笑い。
「解った、甘い物以外で頼む」
俺の頭を撫でていた手を頬に添え、そっと髪に口付けた。
来年も、再来年も。
いっぱい好きだって伝えるからな!
【終】
最初のコメントを投稿しよう!