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「心のどこかで、卒業した君が、いつかこの学校に訪ねてきてくれるのを待っていたよ」
「……先生」
「君は、一生忘れられない思い出をくれた生徒で……。
でも、次会えたなら、『生徒』とは思えないだろうと予感してた」
頬に手を触れて、優しく微笑む先生。
「先生っ」
今度は私が彼に寄り添って、少し背伸びをして唇を合わせる。
西日が差し込む教室内。
寄り添う二人の影が長く伸びている。
グラウンドからバットがボールを打ち返す音、部活生の掛け声。
そんな懐かしい音が、響いている。
それは、心の中で止まっていた時計が動き出した、愛しい刻。
SECOND KISS
~fin~
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