15人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら! 美味しいものは犬にもわかるのよ」
わたしは得意そうに胸を張った。
「いや。単に腹が減っていただけだと思う。おまえ、大丈夫か? そんなもの食べて?」
心配そうな藤堂くんの前でわたしは仔犬の頭を撫でる。
「野良犬なんなら連れて帰ってあげたら? 飼えばいいじゃない?」
「俺ん家は母ひとり、子ひとりの母子家庭だから。マンションはペット禁止」
藤堂くんの言葉を聞いてわたしは少し落ち込んだ。
「そう…なんだ。ごめん……」
「べつに。気にしてないよ」
意外な彼の生活環境。
最初のコメントを投稿しよう!