ーー 誕生日 当日 ーー

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「ほら! 美味しいものは犬にもわかるのよ」 わたしは得意そうに胸を張った。 「いや。単に腹が減っていただけだと思う。おまえ、大丈夫か? そんなもの食べて?」 心配そうな藤堂くんの前でわたしは仔犬の頭を撫でる。 「野良犬なんなら連れて帰ってあげたら? 飼えばいいじゃない?」 「俺ん家は母ひとり、子ひとりの母子家庭だから。マンションはペット禁止」 藤堂くんの言葉を聞いてわたしは少し落ち込んだ。 「そう…なんだ。ごめん……」 「べつに。気にしてないよ」 意外な彼の生活環境。
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