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軽率な自分の言葉になんだか居づらくなった。
「…じゃぁ、わたし、帰る……」
藤堂くんは通りを指差す。「そっちまっすぐ行くと商店街に出るから」
「ありがと」
藤堂くんと別れて家へと向かった。
ーー 『 わたしメガネ掛けてる人ってあまり好きじゃないんで……』
あんな言い方したこと、さっき謝ればよかった。
彼の意外な一面を見て、わたしはなんだか後悔した。
「ただいま!」
玄関で靴を脱いで家に上がる。
「あれ? 誰もいない?」
2階に上がると瑞季の部屋のドアが少し開いているのに気がついた。「瑞季。居るの?」
そっと部屋の中を覗いてみたが瑞季はまだ帰っていない。なんだ。誰も居ないのか……。
部屋に戻って自分の姿を鏡に映してみた。夕陽に輝いてネックレスがキラキラしている。
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