Alexander's Sister - デリケート -

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「どれだけしがみ付こうと、止めないがな」 その言葉と同時に捲り上げられたスカート。 そして太ももを伝う暖かい感覚にしがみ付く腕に力が入った。 耐えようとしても漏れる声は吐息と共に甘ったるすぎて嫌気がした。 部屋は明るいままで、窓にはカーテンが無い。 誰かに見られる心配なんて無いに等しいのに、可能性を考え消えてしまいたいとさえ思った。 「ん、ん、っ・・ひゃぁ、やっ!」 「凜ちゃんと息吐いて」 「そ、んな・・っあぁっ」 「ちゃんと慣らしたから痛くないだろ?」 脱ぎきれてない服が身体に引っ掛かった状態で、無作為に動く宮瀬のに合わせて息を吐くしかできなかった。 最早、ちゃんと呼吸が出来ているのかも分からない。 耳に入るのは自分の喘ぐ声と、宮瀬と繋がる度に聞こえる水音。 痛い、痛くないの問題じゃなかった。 「も、無理っ・・やぁあッ」 「まだ、イったら駄目」 「なん・・んぅぅ、っぁ・・」 怖いくらいに頭が真っ白になる。 もう少しで限界を超えれたのに、宮瀬は意地悪にもそれを阻む様に動きを緩めた。 もう腰に回された手の感覚さえも快楽に変えてしまうほど敏感になった神経は自分では止められない。 「もっと極限まで、おかしくなる寸前でイって」   俺なしじゃ生きていけなくなるくらいに 麻酔のようにされるキスも、荒々しい呼吸の合間に酸素を求め感触を確かめる暇もない。 それでもどこか余裕な宮瀬の澄ました顔に腹が立って、唇が離れる間際少しだけ歯を立ててやった。 「・・っ、凜可愛い事してくれるね」 「透さん、っの余裕ある顔がムカつきました・・っ」 「余裕?そんなの、とっく前に無いよ」 傷にはならない程度に噛み付いた唇、その悪あがきはほんの少しの痛みを与えそれだけで終わった。 むしろ、闘争心を駆り立ててしまったかもしれない。 宮瀬はその痛みの場所を自身の舌で舐めると、緩やかに動かされていた腰を一度大きく揺らした。 「ひゃぁッ、あぁ・・!」 「まだまだ元気みたいだから、手加減はしない」 「やぁっ・・嘘、んぅうっ、イっちゃ・・」 「いいよ、まだ終わらないから」 首を横に振って嫌だと言っても、目から無数の涙が零れ落ちても 与えられる快楽が弱まる事は無かった。
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