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「麻帆、こんな日にこんなところでなにしてんだ?寒いから買えるぞ」
こっちを見ようともせずに返事をする
「ねえ悠馬...このチョコあげるよ」
それは明かに手作りのチョコだった
そして俺に向けて放たれるその言葉は、いつものように俺を元気付けてくれるものでは無く、か弱く震えていた
麻帆の横に腰を下ろす
「なあ、幼馴染みの俺に話してみ?」
優しく諭すように声をかける
「私...フラれちゃった」
その言葉だけ言うと、いままで我慢していたなにかが切れてしまったかのように、泣き崩れてしまう
「よしよし。それで麻帆はフラれたからって簡単に諦められるのか?」
麻帆の頭を撫でながら優しく聞く
「...」
頭を横にふるふると振る
「そっか。じゃあ今は好きなだけ泣け
そして、今日のフラれた時の縁起の悪いチョコは俺が今から食ってやる」
泣く麻帆の横で食べチョコは凄く苦かった
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