第16章

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エステラはラックにかかっていた服を、店員に聞きもせずに全部試着室に持って入り、片っ端から着ていった。 一着一着着ていくので時間はかかったが、試着室から出てくるエステラの顔は見たことのない程頬が紅潮していた。 そして、最後に着たモコモコとしたスポンジのようなロングガウンとショートパンツ、揃いのハイソックスにリボンのついたターバンの姿は、店員どころかそこに居合わせた客も注目するほど良く似合っていた。 「……ちょっと幼すぎ?」 「すっごく似合ってますよ」 「そうよね、誰に見せるわけでもないんだから、自分のために着るんだから」
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