第16章

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エステラはもう一度鏡に向かって振り返って、呪文のようにそう唱えた。 魔法にかかったような歌姫の姿は、栞にとってもくらくらするほどかわいらしかった。 今着ているセットを購入することを店員に伝えると、カウンターから出てきた店長らしき人から、写真を撮らせてもらえないかと提案された。 あまりにも似合っているので、お店に飾りたい、ということであった。 見ると白木を模した店の壁にはプロのモデルではない素人のスナップ写真が何枚も貼り付けられていた。 店のインテリアが女性の部屋をモチーフにしているようだから、スナップをレイアウトするのは悪くない考えだけれど。
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