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「あら浩くん。ごめんなさいね……つい翔ちゃんのアホさ加減に頭に来ちゃって……」
「…………すみません」
「謝るなら浩くんに謝ってちょうだい」
「ごめん、浩明」
浩明は完全に無視。翔太郎から顔をそむけていて、その表情を窺い知ることは出来ない。だが、声をかけた事で少し反応しているのがわかった。
「翔ちゃん」
「はい……」
「今日から浩くんと一緒にいてあげてね」
「えっ?」
「はあっ!」
驚きの声が翔太郎と浩明から出たがママは涼しい顔をしている。
「責任はきっちりとってもらうから」
「ママ、それは俺が嫌です」
「いーえ。うちの店のトラブルで、浩くんに倒れられでもしたら、それこそ責任問題になってしまうわ」
「それでも、嫌だよ」
「ほら、さっきの彼には及ばないかもしれないけれど、薄目で見れば翔ちゃんだってそこそこいい男でしょ。これでもお店では大人気なのよ。ノンケだってみんな知ってるのに」
「だから困るんだって……」
「とにかく! 翔ちゃんの倉庫でも浩くんのおうちでもどちらでもいいから、浩くんが安心して一緒に眠れる相手が見つかるまでは、翔ちゃん、アンタが浩くんを助けてあげなさいっ!」
「はいっ……だけど助けるって何を?」
訳がわからず了承させられたが、一緒にいなくてはならない理由がいまだにわからなかった。
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