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「あっ……やば、い……離せ」
「このまま、ちょうだい」
「むりだっ、て……や、ひろ……おまっ」
体を捩って引きはがそうとするが、そもそもが快感から本気で逃げていないため、離れることができない。浩明は唇と舌を巧みに使って吸引してくる。もう、限界だった。
「ひろあ、き……うっ…………くっ」
さすがに危機感を感じて、ぐっと腰を引くと翔太郎のそれは浩明の口内からぶるんと外れ、同時に精を放った。
「あっ!」
「ん……」
嘘みたいな量が出続け、浩明の顎下から顔全体を汚した。
それらをまともに顔で受け止める格好になった浩明は、瞳を開いても惚けたような表情をしている。
目元を伏せると、まつ毛の上に乗った白濁がたらりと落ちる。その時、翔太郎は今まで誰にも感じたことのない類の妖艶さにあてられ、思わず見とれた。
「ごっ……ごめん」
しかしすぐに我に返り、久しぶりの吐精に浸る間もなく、慌ててティッシュで浩明の顔を拭う。
「顔射…………趣味なの?」
「ちげーよっ! お前の口に出したらやばいって思ったんだけど、その……間に合わなかっただけ。ほんと、わりい」
「口ん中で、別によかったのに……」
顔に出される方がよっぽど面倒なんですけど。と言い放ち、浩明は顔を洗いに行ってしまった。
突然の展開に頭がついてこないままの翔太郎はベッドにばたんと倒れた。
「ったく……なんなんだよ」
「どう? 男に抜かれた気分は」
洗顔を終えた浩明はしれっとそんなことを言う。動揺しているのは自分ばかりなのかと翔太郎はカチンときた。
「おかげさまで……すっごい気持ち良かったけど?」
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