抱き枕の恋ごころ

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「俺だけ抜いてすっきりしちゃって……」 「ははっ……今更じゃん。俺は別に大丈夫。ちゃんと眠れればそんなに性欲強くないんだよね」 「それって……」 「ん?」 「な、なんでもない……おやすみ」  『オリーブ』のママは浩明はいい子だが遊びが過ぎるタイプだと言っていた。だが翔太郎から見てそんなそぶりはあまり感じたことがなかった。もしかしたら、きちんと眠れて満たされれば、夜な夜な男を漁りに行くこともないのかもしれない。  そもそも男を漁るのだって、必要に迫られてじゃないのだろうか。 「変な奴だなぁ、おやすみ」  翔太郎が回した腕に顔を埋めるようにした浩明はやがて寝息を立て始めた。その、穏やかな呼吸音を聴いて、そうさせているのが自分だということに奇妙な喜びを感じていた。
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