第1章 ー子供の声は親の耳には届かないー

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さぁ、僕の話をしようね。 青森に生まれ落ち、よく分からない家庭の事情で東京のはしっこに引っ越した。 働かない父に、暴力を振るわれる母。 僕はいい加減うんざりだった。 毎日響く怒鳴り声、食器が割れる音、生々しい殴打音。 怖かった。ただ、恐ろしかった。優しい父が、鬼の様な顔で行動していた。 その夜、僕と母は逃げ出したんだ。 父親という、監獄から。
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