恋する透明人間

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僕は、約束どおり神崎さんを居酒屋に招待した。 個室の居酒屋に入って、まずは生ビールで乾杯した。 神崎さんは、部屋に入るなり、元気に明るく、まるで機関銃のように話をはじめた。 よくまあ、こんなに話題が次から次へと出てくるものだと感心してしまった。 神崎さんは、小皿を取ってサラダを取り分けてくれたり刺身の醤油小皿に醤油を注いでくれたりと、小さな気遣いをしてくれて、僕は何となく嬉しかった。 僕は、神崎さんと2人でいるこの時間が、とても幸せな時間だと感じていた。 たぶん僕は、神崎さんのことが好きなんだと思った。 でも、告白はできなかった。 告白しようとすると、僕は消えてしまうのだから… 僕は、一瞬切ない気持ちになった。 そんな僕の表情を見て、神崎さんが話しかけてくれた。 「若林君、どうしたの?」 僕は、 「大丈夫です。  何でもありません!」 と答えた。
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