一、遅刻してきた美少女と、曲がり角で。

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「この子は一人娘の比奈。高校二年生なので貴方より二個年下なの」 「え。マジっすか。ってことはお嬢さんですか。うっわ。美少女だし、小さいし高校生に見えないし」 軽い。言動とか行動とか、見ていて苛々するぐらい軽いんですけど。 「お嬢さん、よろしくお願いします! 明日から、俺を馬のように扱いください」 「嫌です」 馬の方がまだ可愛い。 「なんなの? 駄菓子屋に修行って、駄菓子屋に何を修行するの? 和菓子と間違えたんじゃない?」 「うっわ。美少女なのにきっついッスね、やばい、ギャップ萌えってやつですね。カッコいいッス。お嬢さん」 この人に萌えられたくない。 お嬢さんって呼び方も止めてほしい。 「あのさ、お母さん、本気でこの人を修行させるの?」 「大丈夫っすよ。寝泊まりはここでいいんで」 「住み込みするの? こんな病弱な美少女と見知らぬチャラ男なんて危険でしかないじゃん!」 「大丈夫っすよ。修行の身で、お嬢さんに手をだすつもりないッスよ」
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