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「うわあ。早速お嬢さんのお役に立てるッスね。何なりと」
「二個隣に、写真館があるから。そこにプリント届けてきて。アイシャドーの濃い写真屋さんがいるからすぐわかるよ」
「かしこまり!」
……最後までちゃんと言えよ。
と思いつつも、鳩さんは家のスリッパを勝手に履いて、さっさと行ってしまった。
プリントをまだ受け取ってもいないのに。
「まじ?」
「比奈、写真屋さんに何の用?」
「転校生がね、写真屋さんの孫らしいからプリント頼まれたの」
万年炬燵の中に、足を入れてテーブルの上のおせんべいに手を伸ばす。
「えええ。あのおじいさん、お孫さんって。あ、結婚してた時期あったのかしら。へー」
これには流石のお母さんも開いた口が塞がらず、必死で手で隠している。そうだよね。アイシャドーの濃いおじいちゃんで、まつ毛なんてぱっちぱちだもんね。
「ってかあの人、プリント取りに戻ってこないんだけど」
結局私は逃げられないようだ。
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