一、遅刻してきた美少女と、曲がり角で。

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今は、この見えない刀のおかげで大丈夫。 近づいてきたぼやは、妖刀をバンバン振り回せば、すぐに消滅するのだから。 この刀は、広瀬淡窓という日田の学問の師の縁の神社、姫神神社で手に入れた。 学問の師を失った13歳の広瀬淡窓のもとへ現れたという姫神様の所有物だとか、あの化けキツネが言っていた。 が、人に見えない黒い『忌み』が、人に見えない刀で切れるのは好都合。 なぜ刀が私には持てるのかとか、この体質とか、もうあまり気にならなくなった。 だって答えはどうせ、一度も手に掴めたことはないのだから。
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