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「ご友人の高梨様はボクシングの五里選手と契約している模様です。里原様はムエタイのメロウ選手、神崎様は相撲の実熊山力士と新たに契約されました。
こちらがそれぞれの各対戦データの資料です。大会管理委員会の来週のテーマを聞くと、おそらくボクシングになりそうですが、私を使われますか?」
屋上で真凛がパンを食べている所に、影虎は姿を現して言った。
どうやら、コロッセオのことについてハラの中を探り合うような女子たちの食事会なるものに耐えられないとのことらしく、屋上で一人ポツンとご飯を食べている所に逐次報告を行うのが日常になっていた。
「もし、プロと出くわしたとき勝算はあるの?ウチの父親はコロッセオの事をくだらん学校行事と言っているから、追加投資は出来ないの。あなたが勝てないなら契約打ち切りにしてお金は返してもらう予定。それで選手が2,3人契約できるだろうし」
影虎の全身からダラダラと嫌な汗があふれ出す。返金請求されたらちゃんと応じるお金がまだ実家に残っているのだろうか。
「私は心得がありません。対戦データを見て、過去に何度も勝っている選手を雇うのが一番の得策かと思います。
ですが、それが叶わないなら持てる全てを出しつくして相手に臨む所存であります」
「頼むわよ。接戦ならともかく、無様に負けたら一気に舐められてしまうわ。あなたの初陣でもあると同時に私の初陣でもあるのよ」
「心得ています。とりあえずは対戦相手の弱点についてあらゆる角度から調べてこようと思います。
お嬢様、しばらく護衛は離れますが、近くに代わりの者を派遣させますので何かあったらお電話下さい」
そう言って、影虎は姿を消した。
「ホント、忍者みたいね」
真凛は虚空に独り言を投げかけた。
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