失われたもの

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それから三週間。 私は毎日庄司のもとへ通った。 記憶を取り戻すことはなかったが、傷はほぼ回復した。 そして退院前日……… 庄司の担当医が庄司の病室にきた。 いつものようにポケットに手を入れているが少し嬉しそうな顔をしていた。 「やぁ……どうも。 庄司君。調子はどうだい?」 その声に庄司は体を起こした。 「あ、ども。おかげさまで痛みはもうないですし……傷ももう完全に塞がったみたいです。」 「そりゃよかった。」 医者は満足気に返事をした。
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