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「ミズキちゃんって、すごく優しいし明るいし、イイ女だよね」
カラオケの個室の安っぽい合皮のソファーの上で膝を抱え、私のことを褒め称える村瀬の言葉をふくれっ面で聞く。
「顔もすっごく可愛いし、髪もサラサラだし、足も綺麗だし。あ、ちょっと胸は寂しいけど」
余計な一言に膝に埋めていた顔を上げ睨むと、
「ジョーダンだよ」
とクラスメイトの村瀬は、端正な顔に甘い微笑みを浮かべて首をかしげた。
すこし明るい色に染められたふわふわの髪と、ネクタイを緩め着崩した制服が、男のくせにやけに色っぽくて、なんかずるい。
「俺はそのくらいの大きさが一番好きだよ。ちょうど手の中に収まるくらいの」
制服の上に大きめのセーターを着た私の胸のあたりを見てそう言った。
「こっちみんなセクハラ男。……それに村瀬の好みはどーでもいいし」
「可愛い。照れてるの?」
「照れてないっての」
「顔赤いよ」
膝を抱えたまま「うー」と唸る私を見て、村瀬が楽しそうにクスクス笑った。
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