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「そういう素直じゃないところも、可愛いんだけどね」
女を口説くような甘い声で囁いて、私の髪を優しく撫でる。
「こんな可愛いミズキちゃんを振るなんて、ほんとバカな男だよね」
私の頭を胸に抱き、耳元でそう囁く。
「女を見る目ないよ」
「……うん」
「きっとあとから後悔するよ。あの時ミズキちゃんを振らなきゃよかったって」
「……うん」
「だから、こんな失恋で落ち込んでないで、もっといい男捕まえて、ミズキちゃんを振った男を見返してやんないと」
「……うん!そうだよね!」
村瀬の言葉にどんどん元気が出てくる。
まったくそのとおりだ。
私のことを振った男に未練を持ってても、時間の無駄だ。
貴重な高校生活は三年間しかないんだし、すでにその半分は過ぎてしまっている。
さっさといい男を見つけて、新しい恋をした方がずっとずっと有意義だ!
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