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いつしか巫女姫はニヤニヤ笑いを浮かべていた。
「とまあ、外出するならこの三人を伴って行けば安全は保証できるぞ。紹介したのはその為だ」
「外出って、前に言ってた沼沢林とかのことか」
やっと解放された久也は髪の乱れをそっと直しながら訊いた。
「そうだ。ああ、そういえば一つ言い忘れていたな」
巫女姫は、ひとつ数えるように右手の人差指を伸ばし――
「遠出は範囲に気を付けろ。お前たちが滝神さまの息のかかった領域を出たら、ことによっては、私が死ぬかもしれん」
そうして久しぶりに爆弾発言を投下した。
更なる説明を聞くまではリアクションするまい、と久也はため息を吐いただけに留めたが、拓真はまるでアイスクリームを地べたに落とした子供みたいに絶望に満ちた表情をしていた。
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