12.ブラウンノイズ

5/5
前へ
/217ページ
次へ
「待てよ、その理論なら書いた当時は確かに意思はあったはずだ。文字を彫った彼女は何かを想いながら尖筆(スタイラス)を手にしたんだろ」 「薄れてしまった意思を呼び起こして通じさせると? 可能かどうかはわからんが……」 「他に方法はなさそうだ。これから洞窟に通い詰めて解読してみる」 「通い詰めるのか」  はっ、と久也は少しだけ笑った。 「水の中を除いて集落一涼しい場所だし、最大限に利用させてもらうぜ」
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加