一章

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「こんな日に、こんなところで何やってんだ。帰るぞ」 少し街の郊外の小高い丘にある公園のベンチに麻帆は居た。 「うるさい、能天気馬鹿ニート」 「はいはい、どうせ俺は能天気馬鹿ニートですよ...ってニートじゃねーよ!?え、帰宅部ってニートにならないよな...どう思う?」 「知らない」 いつも明るく俺を元気付けてくれる。その声が震えて、寒さからなのかは分からないが肩も震えていた。上着をかけたりした方が良いのか少し悩んだが 「よいしょ」 麻帆を体で包み込むように腰を下ろす 「何してんの!?」 「いいから、能天気馬鹿に話してみな?」 優しく言い聞かせるように話し掛ける 「...今日、松山くんに告白したんだ」 少しづつではあるが話始めてくれた 「そしたら、ガリ勉がキモいって...」 「...」 「笑っちゃうよね。ガリ勉が夜遅くまで慣れないチョコ作って告白するんだから」 そこまで話すと、関が切れたように泣き崩れる 麻帆の頭を撫でながら 「麻帆はキモくなんて無いよ。物心ついたときから見てる俺が言うんだから間違いない。まあ、俺視力あまり良くないからそう思うだけかもしれないけどさ」 麻帆は変わらず泣き続けている 「麻帆がフラれたって言いにくいことを教えてくれたから、俺も言いにくいことを1つだけ言うよ。 実は俺...小学五年生までお漏らししてたんだよ」 「何それ...今関係ないじゃん」
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