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「決まってるだろ。今度はおまえの尻拭いだ」
王様は面倒そうに肩を回し言った。
凪の一件を
穏便に処理するために出かけて行くつもりだ。
「そして戻ったら次は――」
それから征司はこちらを指差し
鋭い瞳で僕を見据えた。
「おまえの方をどうにかしないとな?」
征司はこの時もう
僕に何か問題が起こっていることに気づいていた。
「征司お兄様……」
「心配するな。戻ると言ったろ」
いつになく優しいのは
多少なりとも自分が原因を作ったと自覚しているからだ。
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