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もしくは――。
「一時我を忘れようが俺は必ず戻るさ」
僕の手首を握るその手は
激しく脈打つ僕の血流そのものを握っている。
「俺はおまえの――」
囁く
聞き取れないほどの声で。
「奴隷だからな」
でもはっきりと聞こえた。
「ンッ……!」
――何が奴隷だ。
憎らしくも口端で笑うと。
僕が何か言う前に
征司は僕の唇を塞いだ。
息も出来ぬほど乱暴に。
自分勝手にひどく甘く――。
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