episode181 アドニスと王様

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「――何を探してる?」 闇を支配する 低く甘い声。 「は……」 僕の身体は 濡れた布切れのように。 力強い手で いとも簡単にこの世に引き戻される。 「俺はずっとここにいるぞ?」 「……ずっとここにいた?」 僕はベランダに尻餅をついたまま 「ああ。ずっとな――」 悪びれもせずそうのたまう 大きな影を見上げた。
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