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涙が出てきた、鼻水も出てきた。
何故だろうか、花粉症は患っていないはずなのに。
高校の入学式、彼女は泣いていた。
卒業式ではなく、入学式で泣いていた。
聞けば、ここまで生きてこれたことが嬉しかったらしい。
俺には分からない話だった。
ずっと一緒に居るものだと思っていたから。
そして今、俺たちは病院にいる。
彼女はベッドに横たわり、俺は泣いている。
まだ、いや、今も一緒にいる。
突然、彼女が目覚めた。
驚いた。もう目覚めないと聞いていた。
泣いているのを見られるのは少し恥ずかしかった。
彼女の目が見えているのか分からないが、恥ずかしかった。
こちらに目を向ける彼女。
何かを言おうとしているのは見て分かる。
だが、既に口を動かすのも難しいらしい。
無理をしなくていいと言いたかった。
でも、言えなかった。
しきりに何かを伝えようとする彼女。
痛ましかった、見ているこちらが辛かった。
だが、止める気にはならなかった。
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