第2章

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『あ、でも…』 思い出したようにリョウタがアランに視線を向ける。 『アラン、大きな仕事決まったんだよね。リュウトの誕生日は家にいられそう?』 『え?』 唐突に聞かれたせいかアランは目を見開いた。だが口許を緩めたアランは 『年末なら大丈夫かな』 そう言って目を伏せた。 『アラン?』 リュウトが声をかけるとアランは顔を上げて笑ってみせた。 『今までになかった仕事だから、ちょっとプレッシャーなんだよ』 『へえ…何撮るの?』 ユウタに聞かれたアランは小さな声で答えた。 『風景写真…うまくいけば世界遺産とかの依頼も入るかもしれないって…』 『え!』 『すごいじゃん!』 皆が盛り上がっていく中アランは立ち上って窓の外を見つめた。 『すごいんだよな…でも俺は…』 何故か悲しげなアランの背中。その背中を見つめていたリュウトとリョウタは視線を合わせ、そしてどちらからともなく視線を逸らした。
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