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「また来たんですか」
そろそろ、この少女の姿をした化け物が少々の失礼をしても気にしない事を連下は学んでいる。
要は、敵対する意思を持ちさえしなければ良いのだ。
仕事を終えて帰宅したら、食堂に小さく作られた、生クリームたっぷりのケーキを満面の笑顔で食べているやまぶきがいた。
「うむ。どうやら今日は女から男に贈り物をする日らしいからな」
淡い黄色のテーブルクロスの上に、いくつか置かれている包みの中身はチョコ味のクッキーらしい。
「体力回復の効果がある。袋の口を開かなければ、半年はもつから使うといい」
ふふん、とやまぶきは偉そうに鼻を鳴らす。
連下はいくつかに小分けされた袋をひとつ開封して食べてみた。
「……これ、タスクくんにはあげたんですか?」
「勿論だ。学校関係者にも全員に配ってやったぞ」
「………………そうですか」
連下はやまぶきの帰り際、『やまぶきさまからタスク君にと言って渡すように』と言ってチョコレートケーキを預けた。
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