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深かったキスも次第に浅くなっていって、ゆっくりと離れていく。
離れていく唇を追いかけそうになる気持ちを抑えて、上気する頬を隠すように俯いた。
「……大丈夫?」
「ん……」
優しく頭を撫でられて、胸がきゅーんと締め付けられる。
あぁ、どうしよう。
全然、足りない。
「……駅まで送ってくよ」
「……うん」
寂しいような、物足りないような、そんな気持ちのまま、私は翠くんの家をあとにした。
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