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明らかに私と浅黄を怪しんでいる翠くんの目に、心臓がおかしくなりそうなくらい暴れ狂っている。
どうか……どうかバレてませんようにっ!
「……そっか。じゃあ美青、また放課後ね」
「……うん」
そう言って補習が行われる教室へ入って行く翠くんの背中を最後まで見送った瞬間、ドッと身体から力が抜けた。
「なんとか誤魔化せたわね……」
「うん……」
「じゃあ昼休み、ね」
「うん」
浅黄と別れて、私も指定の教室に向かう。
受験生、受験生と言い聞かせながら、昼休みに話すことが頭から離れなかった。
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