リベンジの冬、バレンタイン。

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ピーンポーンとチャイムが鳴り、来客を知らせる。 「(来た……っ!)」 走り出したくなる気持ちを抑えて、あえてゆっくりめに玄関に向かう。 「はーい」 「や、美青」 ドアを開けると、鼻と頬をうっすらと赤く染めた翠くんが、マフラーに顔をうずめながら立っていた。 マフラーは、あの時交換したものを今でも使ってくれている。 「寒かったよねっ。あがって!」 「お邪魔しまーす」 外はぼたぼたと雪が降っていて、いかにも寒そうだ。
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