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「ん、行こ?」
「……」
さっきとはまた違う、優しい笑顔で差し出された翠くんの手を握る。
「わ、冷た」
私の手を握って目を見開く翠くんの手は、少ししっとりとしていて暖かかった。
「……翠くんが手、繋いでてくれなかったからだ、よ」
電車に乗り込みながら、聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう呟くと。
「問題集に嫉妬しなくてもいいよ?」
「っ!し、してない!!」
爽やかな笑顔でそう言う翠くんは、やっぱりSなのでしょう。
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