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「はぁぁ!わかった、わかったよ翠くん!」
「そ?良かったね」
補習の課題として出されていた化学平衡の問題がやっとわかって、つい興奮してしまう。
「う~、良かった~。これで明日、提出出来る~」
「あ、美青。そろそろ電車の時間だけど、帰る?」
「え、ホント?」
そう言いながらふと壁に掛けられている時計を見ると、だいぶ長居してしまったみたいだ。
「ホントだ……。ごめんね、長居しちゃって」
「いいよ、全然」
にこっと笑う翠くんに、心の内にある落胆を、見せることは出来ない。
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