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だめだめ、麻人さんも頑張ってるんだもん 私が弱音吐いちゃ駄目だ あー、でも… 急に気力が無くなっちゃった ちょっと無になりたくて 携帯の電源を切ってソファーになだれ込んだ こんな姿見たら、麻人さんに心配されちゃうよな 無になりたいのに 頭の中は麻人さんの事ばっかり 一人だからソファーでバタバタ暴れてしまった そんな時、会社の電話が鳴って我に返った 「もしもし」 「あーもー良かった」 もう、なんてタイミング 「どうしたんですか、お昼休みですか」 「ううん、 携帯の電源切れてるし心配した なんか美瑠ちゃんが暴れてる気がして」 「なんですかそれ」 えっ、監視カメラ付いてる? 思わず部屋を見回してカメラを探しちゃった 「大丈夫?」 「なにがですか?」 「寂しくて弱ってないかなぁーって」 「…大丈夫ですよ…」 麻人さんはお仕事頑張ってるんだから 寂しいなんて言っちゃ 「俺は寂しくて寂しくて死にそう」 やだ、もう そんな風に言われたら 「…寂しくて…暴れてました…」 「やっぱり 我慢しないって約束でしょ」 「でも、麻人さんもお仕事頑張ってるんだから」 「だから?」 「わがまま言っちゃ、駄目だと…」 「そっか じゃー、僕もわがまま言っちゃ駄目だよね 美瑠ちゃんに癒しを求めて電話なんかしちゃって 情けない… 美瑠ちゃんも頑張ってるんだし 僕も我慢しなきゃだよね うんうん、我慢するよ 美瑠ちゃんに甘えてもらえない苦痛に耐えながら 血を吐く思いで仕事を頑張るよ 僕が情けないばかりにごめんね 甘えてもらえないような男でごめんね」 「ごめんなさい…」 「参ったか」 「参りました でも、意地悪な言い方…」 「寂しいって言ってほしいだけなんだけど」 もう、麻人さんに強がりは通用しないんだった
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