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透明人間になりたいと思ったことはないだろうか。いや、男子ならば更衣室を透明人間になって覗きたいと思ったことがあるだろう
このお話は透明人間になりたい健全な高校生が透明人間になって一憂するお話である。
セミが煩いこの季節にとある高校の屋上に少年が居た。その少年は全裸で両腕を挙げぴょんぴょん飛んでいる。なぜ少年がそんなことをしているかといえばこの学校の都市伝説が関係していた。この学校にはこんな都市伝説があるのだ。
「全裸で放課後の屋上で手を挙げぴょんぴょんすると透明人間になれるようになる」
普通に考えればこんなことをしても本当にぴょんぴょんする男子はいないだろう。
だが少年は今実際に実行している。
だが、少年はバカではない。実際彼はこの噂は女子が男子をからかって流した噂ということをわかっていた。
でも少年は実行する。変態ゆえに。少年は一パーセントの可能性しかなくても努力は惜しまない。変態ゆえに。
彼はもう出来るようになったと思ったのか脇に置いてある制服を着始めた。そして着終わると彼は大声で叫ぶ。
「透明人間になりたい!!」
そうすると見る見るうちに彼の体が透明になっていく。そしてちょうど目の辺りに差し掛かったときに彼は戸惑いを持った声で「み、みえないんだけど」といい始める。
どうやら目玉が透明になってしまったため目玉が光を受け取れないため見えないらしい。そして透明化を解除した少年はたちまち体を崩し泣きながらつぶやいた。
「なれない結末よりも酷い。女子更衣室を覗きたかった」
少年の野望は打ち砕かれたのであった。
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