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「あらあら。ならわたしの選択肢はとっても間違いですね。申し訳ないですけど、とりあえずこの体に悪そうな色をしたスイーツを食べ終わるまで待ってくださいね」
「どうぞごゆっくり食べてください」
ぱしゃ、と彼女がスマートフォンでスイーツの写真を撮る。かじられた天の川、と呟いているのを聞きながら、ホットコーヒーをすすった。
「……そういえば、聞いてなかったですけど、なんであたし告白されたんですか?」
「えぇっと……言ってませんでした?」
「えぇ。名前も知りません。年齢も、性別も、趣味も」
「天野浩。十九歳。男。趣味は音楽を聞くことです」
「あらあら、それでは天野さん。……いえ、彼氏ですから浩さんとお呼びするべきでしょうか」
「どうぞご自由に」
「それでは浩さんとお呼びしますね。あたしなりの精一杯の親愛の表現です。あたしの名前やらなんやらはご存知です?」
「残念ながら、いいえ、です」
「あら、あらあらあらあら」
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