彼女はリアルが得意ではない。

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「プラネタリウムってとっても無粋だと思います」 例えば彼女は初デートで彼女が行きたいと言ったプラネタリウムのカフェでそんなことを言うのだ。 「……はぁ。そうですか」 「エネルギーを燃やしているあたしたちが生きてるんなら、水素やらなんやらを燃やしている星だって生きているんだと思います。なのにあたしたち、豆電球の光を見て星は綺麗って言うんですよ。とっても星が可哀想」 そこでカフェの店員が飲み物とスイーツを持ってくる。僕はコーヒーで、彼女はサイダーとなんだかよく分からない涼しげな色をしたスイーツ。 ごゆっくりどうぞーという言葉を聞き流しながら、彼女はゼリーで出来た青いパフェを一口食べる。青いゼリーにカラフルな星が散らばった、天の川みたいなスイーツだった。真冬に食べるようなものでは無さそう。 「……じゃあなんでプラネタリウムカフェに来ようなんて言ったんです?」 「おや、イマドキの人ってこういうお洒落なものが好きではないのですか。流行ってると聞いたものですから」 「いや……僕は男なので、こういうのは疎いですねぇ」
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