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「あの先生と話すのは楽しかったのか?」
祖父は僕の腕をグイグイ引きながら、この前の帰りと同じようにそんなことを訊いた。
「わかんない……」
「またわからないのか……」
「わかんない…けど……嫌じゃなかった」
祖父はまた『ふんっ……』と一回鼻で笑っただけで、黙って僕の腕を離した。
「何を期待しているか知らないが、期待するだけ無駄だ」
「期待?」
「ああ……みんなおまえの能力以外に興味はない。その記憶力以外にな」
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