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「き……教授っ!」
先生は立ち上がり、僕の前に立った。
「この子はまだ、小学校低学年の子どもですよ。そんな……」
「そんなこと、君には関係ないことだ。君が嫌なら、これ以上の研究への参加は禁止する」
教授は下がった眼鏡を上げ、つまらなそうに先生を見た。
「君は私の教え子の中では一番優秀だ。よく考えたまえ……私をがっかりさせてくれるでない」
「し…しかし……」
「私の前ではYESかNO以外のあやふやな答えはない!YESならこのまま残ることを許そう。NOなら、今すぐ立ち去ることだ」
それを聞き、先生は言葉に詰まる。
染まりたくないのに、染まらないと生きられない時もある。
僕を振り返った先生は、今にも泣き出しそうな表情のまま、何も言えないでいる。
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