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「無理させたね。また少し休んでいなさい」
うっすら目を開く僕が見たものは、何事もなかったかのようにネクタイを締め直す先生の姿。
(帰るの?)
「すまない……明日は母親の誕生日だからって、兄弟家族で集まることになったんだ。断ったのに今日しかダメだって……君とゆっくりしたかったのに、ごめんよ…」
今日は珍しく早く帰れる日だからって、仕事が終わるとすぐに僕のもとへやって来てくれた。
そう、家に帰らず来てくれたんだ。
申し訳なさそうに僕の髪を撫で謝ってくれる。
(ううん……ありがとう)
優しい先生は、僕のことをずっと何年も想ってくれている……
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