*:。 魚籠の水魚 ・゚:*:・'°☆

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僕の親は、僕が幼い時にいなくなったらしい…… と、祖父母がそう言っていた。 厳格な昔気質の祖父と、そんな祖父に従う良妻の祖母。 そして、父親の兄夫婦と子どもたち。 僕はそこに仕方なく引き取られたんだ。 両親がそうだったからか、あの家で僕の居場所を感じられる場所はなかった。 僕自身の性格が災いしていたと言うのもあるかもしれない。 一言で言えば可愛いげがなく、いつも逃げるように家の隅にある落ち棟の物置きで、畳一枚分程度の空いたスペースに新聞紙を敷き、小さく丸くなって寝転んでいるような子どもだった。
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